(上原輝樹) |
2020.3.5 update |
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©2019 Bac Films Distribution All rights reserved
| 『アリスと市長』(Alice et le Maire de Nicholas Pariser) フランス/2019年/105分/カラー/デジタル 監督:ニコラ・パリゼール 出演:ファブリス・ルキーニ、アナイス・ドゥムースティエ、ノラ・ハムザウ ほか リヨンの市長ポール・テラノーは、「考え」が一切浮かばなくなり、若き哲学者アリスに助けを求めることに。『木と市長とメディアテーク』では高校教師を揚々と演じたルキーニが26年後、まさにロメール的コメディで、燻し銀の魅力で老いとともに人生を見つめ直す市長を演じる。そして、大きな瞳と溌剌とした魅力で、観客の心を捉える人気の若手女優、ドゥムースティエ演じる哲学者との真摯で、遊戯に満ち、心打たれる対話によって、互いに「思考」を、そして「人生」を取り戻していく。第72回カンヌ国際映画祭監督週間出品。 |
©2008 REZO FILMS |
『君は愛にふさわしい』 (Tu mérite d'un amour de Hafsia Herzi) フランス/2019年/107分/カラー/デジタル 監督:アフシア・エルジ 出演:アフシア・エルジ、ジェレミ・ラウルト、ジャニス・ブジアニ ほか 何よりも大切な恋人レミの裏切りを知り、リラは苦しむ。単身ボリビアに旅立ったレミから、二人の関係はまだ終わっていないと告げられるが、その言葉によってさらに苦しむリラは、友人たちとの会話、新たな出会いの中でもがき、愛の行方を求めて彷徨う...。寄る辺なく生きる現代の若者たちの恋愛をアブデラティフ・ケシシュやアラン・ギロディらの作品に出演している女優、エルジが初監督、主演。第72回カンヌ国際映画祭批評家週間で上映され、「宝石のように美しいラブストーリー」と絶賛された。タイトルはフリーダ・カーロの詩の言葉。 |
『リベルテ』(Liberté d'Albert Serra) フランス=ポルトガル=スペイン=ドイツ/2019年/138分/カラー/デジタル R16+ 監督:アルベルト・セラ 出演:ヘルムート・バーガー、マルク・スジーニ、イリアーナ・ザベート、リュイス・セラー ほか ジャン=ピエール・レオ主演の『ルイ14世の死』が日本でも公開された鬼才アルベルト・セラが今度はフランス革命前夜の18世紀の退廃貴族たちの性、欲望のありか、サド的世界に迫る。ルイ16世のピューリタン的厳格な宮廷から追放された自由主義者達(ルビ:リベルタン)は、伝説的ドイツ人公爵ワルシャンの支援を求めて国境を越える。2019年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員特別賞受賞作品。 「私にとって撮影とは上演(パフォーマンス)であり、一度限りのものだ。演じられている中で生まれるもの、感情を、それぞれが自律的な3台のキャメラで撮影し、それらは再び生み出すことが不可能であり、とくにセックスが題材であればなおさらそうである。」アルベルト・セラ |
©Guy Ferrandis / SBS Productions |
『シノニムズ』(Synonymes de Nadav Lapid) フランス=イスラエル=ドイツ/2018年/123分/カラー/デジタル 監督:ナダヴ・ラピド 出演:トム・メルシエール、カンタン・ドルメール、ルイーズ・シュヴィヨット ほか 「『シノニムズ』は、パリの空っぽのアパルトメントで凍えそうになった裸体と共に、象徴的な死とある誕生によって幕を開ける。物語は、祖国イスラエルからパリへと亡命し、文化、言語、国、すべてを白紙に戻し、未知の場所でゼロから生きることを選んだラピド監督自身の人生から着想を得ており、主役のヨアブは監督の分身であるだろう。本作はラピドがこれまで続けてきた試みのひとつの到達点でもある。それは通常なら詩的なものからほど遠いであろう憎しみや嫌悪の言葉や映像を結びつけ、それらの衝突の中から、そして視線の中から美を導き出すという試みである」。オリヴィエ・ペール 69回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。 |
©Curiosa Films ? Bellini Films ? Arte France Cinema |
『見えない太陽』(L'Adieu à la nuit d'André Techiné) フランス=ドイツ/2019年/102分/カラー/デジタル 監督:アンドレ・テシネ 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ケイシー・モッテ・クライン、ウーヤラ・アマムラ ほか 2015年春。地方で牧場や農場を営むミュリエルは、久しぶりに帰ってきた孫息子アレックスとの再会に心躍らせる。しかしアレックスがイスラム教に入信し、しかもその教団がシリアのイスラム教テロリストたちとつながりがあり、アレックス自身もシリアに向かおうとしていることを知ったミュリエルはなんとか彼を引きとめようとするのだが......。ドヌーヴがもっとも信頼を置くと明言している名匠アンドレ・テシネとの8本目の本作で、つねに目の前の対象に開かれ、その度に繊細な演技をみせてきた大女優の魅力が最大限に引き出されている。 DVD発売中:KKDS-891 4,800円(税抜) 発売元:ビターズ・エンド、ミッドシップ 販売元:紀伊國屋書店 |
©2019 ATELIER DE PRODUCTION ARTE FRANCE CINEMA NEXUS FACTORY & UMEDIA GARIDI FILMS |
『ディアスキン鹿革の殺人鬼』(Le Daim de Quentin Dupieux) フランス/2019年/77分/カラー/デジタル 監督:カンタン・デュピユー 出演:ジャン・デュジャルダン、アデル・エネル ほか 鹿革ジャケットを手に入れたジョルジュは、異常なまでにそのジャケットに愛着を抱く。ひょんなことからビデオカメラも手にしたジョルジュは、ジャケットを羽織り、映画監督に扮して街へ繰り出し、"死のジャケット狩り"を開始する。フランスのエレクトロニックミュージシャン、DJとしても著名なデュピューがジャン・デュジャルダンと初めて組んだスリラーで、2019年カンヌ国際映画祭監督週間のオープニングで上映され人気を博した。注目の女優アデル・エネルがたった一人、狂気に包まれた男に勇ましく対峙していく姿が強く、美しい。 |
©memento films |
『カブールのツバメ』(Les Hirondelles de Kaboul) フランス=ルクセンブルク=スイス/2019年/82分/カラー 監督・脚本:ザブー・ブライトマン&エレア・ゴべ・メヴェレック ほか 声の出演:ジタ・アンロ、スワン・アルロー、シモン・アブカリアン、ヒアム・アッバス 1998年夏、アフガニスタンのカブールはタリバン勢力の支配下に。 ズナイラとモーセンのカップルは、暴力と悲惨な現実の中でも希望を持ち続けていたが、ある行動が災いし...。大文字の歴史の中で翻弄される夫婦や恋人たちの日常のささやかなやり取り、感情が繊細に描かれ、心を打つ傑作アニメーション。スワン・アルローら、フランスで現在人気上昇中の俳優たちが声で出演している。 2019年カンヌ国際映画祭ある視点部門コンペティション出品。 |
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©Les Films Pelleas |
『モッズ』 (Mods) フランス/2003年/60分/カラー/35ミリ *英語字幕・日本語同時通訳 出演:シルヴィー・テステュー、パスカル・グレゴリー、ギョーム・ドパルデュー、ジャン=クリストフ・ブーヴェ、ギョーム・ヴェルディエ、フランソワ・ネグレ、ピエール・レオン 大学のキャンパス、そこに病におかされた学生がいる。彼の兄弟であるふたりの兵士が救いにやってくる。自分達に似ることのないこの世界で居場所がない我らが二人の兵士達はそこで様々な人々と出会い、驚きを重ね、病気の弟が残した記憶や、他の場所から聞こえてくる噂、あるいは何処からか聞こえてくる歌に耳を傾ける。 |
©DR |
『フランス』 (La France) フランス/2007年/102分/カラー/35ミリ *英語字幕・日本語同時通訳 出演:シルヴィー・テステュー、パスカル・グレゴリー、ギョーム・ドパルデュー、ジャン=クリストフ・ブーヴェ、ギョーム・ヴェルディエ、フランソワ・ネグレ、ピエール・レオン 1917年秋。第一次世界大戦の戦火が最も激しくなった頃、若いフランス人女性カミーユは戦地から届く夫の便りのみを待つ日々を送っていたが、ある日、別れの手紙を受け取る。彼女は深く動揺し、愛する夫に会うため、男に変装し危険に満ちた旅に出ようと決意する。その旅の途中で出会った、奇妙な連隊に加わる。彼らは時に、その場でこしらえた楽器を演奏し、ポップ・ソングを歌う。 「古典的映画の中で、登場人物たちが歌う歌は必ずしも史実に基づいて選ばれたものではありません。『リオ・ブラボ-』でのリッキーのように。」セルジュ・ボゾン |
©DR |
『ティップ・トップ ふたりは最高』(Tip Top) フランス=ルクセンブルク/2013年/107分/カラー/デジタル 出演:イザベル・ユペール、サンドリン・キーベルラン、フランソワ・ダミアン ほか フランス北部でアルジェリア系の情報屋が殺された。その情報屋は、地域のドラッグの密売に関わっていたが、警察署内部を探るため、ふたりの女性監察官、エスターとサリが派遣された。ひとりは殴りこみをかけ、もうひとりは覗き見る...そう、ふたりは最高のコンビ! 「ボゾンはかつてゴダールが取った方法を応用してみせる。犯罪映画を口実にまったく別のものを語ること。では本作では何が語れているのか、おそらく傑出した前作のタイトルの中にその答はあるだろう、つまり『フランス』である」。オリヴィエ・ペール |
©Les Films Pelleas |
『マダム・ハイド』(Madame Hyde) フランス/2017年/96分/カラー/デジタル 出演:イザベル・ユペール、ロマン・デュリス、ジョゼ・ガルシア ほか パリ郊外の高校に勤める内気な物理学の女性教師ジキルは生徒たちから見下されている。ある日、彼女は、実験中に失神し、神秘的で危険な力を感じるようになる。スティーヴンソンの代表作『ジキル博士とハイド氏』を、19世紀後半のブルジョワ社会ではなくパリ郊外、現在を舞台に、また男性ではなく女性を主人公に、自由に脚色されたボゾンの最新作。 「トリュフォーが『野生の少年』で試みたように、学ぶということを映画でどう描くか、教育の重要性、難しさを見せたかった。そのため、冒頭で主人公はまだにそこに至っておらず、ふつうの方法では変えられない状況にいる。そこにスティーヴンソンが介入してくるわけだ。」セルジュ・ボゾン |
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© M. Films |
『今晩おひま?』(Les Dragueurs) フランス/1959年/78分/モノクロ/デジタル 出演:ジャック・シャリエ、シャルル・アズナブール、ダニー・ロバン、アヌーク・エーメ ほか 土曜日の夕暮、フレディとジョゼフは、セーヌ河岸で偶然出会い、女の子を「ひっかけに」街に繰り出す。二十歳の装飾家でプレイボーイのフレディは「理想の女性」を探し求めている。かたやまじめな銀行員ジョゼフは妻を見つけ、家庭を持つことを望んでいる。アンバリッド、サン=ジェルマン=デ=プレ、シャンゼリゼ通り、モンマルトル、彼らは、様々な女性たちと出会い、彼女たちの人生を垣間見ることに。29歳のジャン・ピエール・モッキーが自伝的な要素を交え、ささやかなテーマながら大胆な作風で、ほとんどロケで撮り上げた処女作。日本で公開された唯一のモッキー監督作品でもある。 |
© M. Films |
『言い知れぬ恐怖の町』(La Cité de l'indicible peur) フランス/1964年/92分/モノクロ/デジタル 出演:ブールヴィル、フランシス・ブランシュ、ジャン・ポワレ、ヴェロニク・ノルデー ほか 逃亡した偽札偽造者の捜索に乗り出したシモン・トリケ警部は、オーヴェルニュ地方の想像の村、バルジュにたどり着くのだが、そこには摩訶不思議な住民たち、出来事があふれていた......。ベルギーの幻想小説家ジャン・レーの原作を自由に、幸福感と繊細さとともにモッキーが映画化。モッキー作品にかかせない俳優のひとり、ブールヴィルが風変わりな警部役を魅力一杯に演じている。撮影はラング、オフュルス、ロッセンらの作品も手がけた偉大なカメラマン、オイゲン・シュフタン。製作当時あまりにも「とっぴな」作品とされ再編集を強いられたこの傑作「詩的幻想映画」を、今回は監督自ら「ディレクター・カット」として蘇らせたバージョンで上映! |
© M. Films |
『ソロ』(Solo) フランス/1970年/87分/カラー/デジタル 出演:ジャン=ピエール・モッキー、アンヌ・ドゥルーズ、デニス・ル・ギヨ ほか 魅惑のヴァイオリン奏者のヴァンサン・キャブラルは宝石泥棒でもある。彼の弟のヴィルジルはアナーキストのグループに属し、殺人にも手を染めていた。ヴァンサンはこれ以上の殺戮が繰り返されないように、警察より先回りしてヴィルジルを追いかけるのだが......。 「70年代、モッキーはB級犯罪映画を自ら主演し、連続して撮っている。アクションに次ぐアクション、そして演出のアイディア満載の本作は、68年五月革命直後についてのモッキー自身の考察から出発している。シニックなアンチヒーローを演じるモッキー、ジョルジュ・ムスタキのテーマ曲によって愁いを帯びたロマンチシスムに包まれたフィルムノワール。」オリヴィエ・ペール |
© M. Films |
『赤いトキ』(L'Ibis rouge) フランス/1975年/80分/カラー/デジタル 出演:ミシェル・セロー、ミシェル・シモン、エヴリーヌ・バイル ほか 孤独な会社員ジェレミーは赤いマフラーで次から次に女性たちを絞め殺してきた。同じ界隈に住み、賭博好きレーモンは、借金を返済するために愛する妻のエヴリーヌに宝石を売るよう頼む。そんなふたりが出会い、ある計画が立てられることに......。 「フレドリック・ブラウンの推理小説『3、1、2とノックせよ』から着想を得た本作は、ファンタスティックかつポエティックにフランス社会を描いたモッキーの代表作のひとつ。本作が遺作となった偉大な俳優ミシェル・シモンへのオマージュでもあり、サン=マルタン運河沿いで多く撮られていることもあり、とりわけ『素晴らしき放浪者』や『アタラント号』の記憶が蘇ってくる。」オリヴィエ・ペール |
© M. Films |
『奇跡にあずかった男』(Le Miraculé) フランス/1986年/87分/カラー/デジタル 出演:ミシェル・セロー、ジャンヌ・モロー、ジャン・ポワレ 非合法すれすれでなんとか暮らす気ままなパピュは、、保険金欲しさに事故で足が麻痺したと偽り、献身的な元娼婦のサビーヌを引き連れてルルドへと偽の治癒旅行に出発するが......。 「社会風刺、反聖職者主義的劇画を超えて、不条理で詩的なアイディアで溢れる驚くほど豪快な本作で、モッキー映画の常連、セローとポワレがミスキャストをおおいに楽しんでいるように見える。優雅な俳優ポワレが小汚く下品な浮浪者、セローは滑稽で口のきけない保険業者を演じ、まるでサーカスの演目を見ているようだ(...)。モッキーは、この縁日のような作品で多種多様な人々をこれまで以上に鮮やかに浮かび上がらせてみせる。」オリヴィエ・ペール |
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© 2017 KIDAM-CARLOTTA FILMS. Tous droits reserves. |
『ジャン・ドゥーシェ、ある映画批評家の肖像』 (Jean Douchet, l'enfant agité de FabienHagege, Vincent Haasser, Guillaume Namur) 2017/85分/カラー/デジタル/フランス語/日本語字幕 監督:ファビアン・アジェージュ、ギヨーム・ナミュール、ヴァンサン・アセール 2019年11月に90歳で他界したフランスの偉大なる映画批評家ジャン・ドゥーシェ。彼は50年以上前から映画批評家として世界中を旅してきた、映画についての伝道師、「渡り守(パサール)」である。その類まれなる知性、教養、ユーモアによって、映画作家や映画ファンたちに影響を与えてきた。ある晩、三人の仲間たちがドゥーシェと出会い、彼の話にすぐさま魅惑され、ジャン・ドゥーシェという謎も多い男との特権的な関係を持ち始める。 「ジャンは映画の意味を目覚めさせる術を知っている。映画の送ってくる手紙を読み解くように。そして美への思い、配慮する気持ちがジャンをここシネマテークや、他の多くの映画館へと足を運ばせたのです。」アルノー・デプレシャン |
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