OUTSIDE IN TOKYO
Johan Heldenbergh INTERVIEW

ヨハン・ヘルデンベルグ『オーバー・ザ・ブルースカイ』インタヴュー

2. 大好きなのはJ.D.クロウ、メロディックなものならスコット・ベスタルが最高です

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Q:バンジョー奏者では誰に影響されていますか?
ヨハン・ヘルデンベルグ:アリソン・クラウスとユニオンステーションのライブ録音を通じてロン・ブロックを発見しました。大好きなのはJ.D.クロウです。メロディックなものならスコット・ベスタルが最高です。そしてスティーブ・ルーヴァット(Steve Louvat/ベルギーの若い左利きスーパーピッカー)のインターネットで聴ける「Winter Blues」はとても美しい。バンジョーを学ぼうとした時、あなたに最初に電話しましたよね、ティエリー、でも私たちの間の距離はあまりに遠かった。

Q:おっと、そんなことがありましたか?覚えていないのですが。これまでに誰のライブを見ましたか?
ヨハン・ヘルデンベルグ:あまり旅行が好きじゃなくて、ヨーロッパのバンドは見ていません。最近、アリソン・クラウスとグラスカルズをベルギーで見ました。そのほかは、インターネットでIBMA(The International Bluegrass Music Awards)とEBMA(European Bluegrass Music Association)を知っているくらいです。フェスにも行きたいのですが、旅行がね……。

Q:あなたがバンジョーを弾こうとしたのは40歳くらいからですよね。その年で始めるのは簡単なことではないですよね。
ヨハン・ヘルデンベルグ:それまではギターのコードを少し弾けるくらいでしたから、ほとんどゼロからのスタートでした。わたしは一種の中年の危機を感じていたんです。そしてやりたいなと思ったのはバンジョーを習うこと。もちろん、劇の準備もあるわけですが、毎日2時間、練習しました。ゴールは「Foggy Mountain Breakdown」!

Q:映画とサントラ、ともに大ヒットしていますね。(ベルギーでは全人口1100万人の内、32万人が本作を見た。サントラ、シングル「If I Needed You」共に、ベルギーのポップチャートで1位を獲得、ベルギーにブルーグラス旋風を巻き起こした。)
ヨハン・ヘルデンベルグ:ええ、凄い成功です。でもちょっと、あなたに質問があります。あなたのような、長い間ブルーグラスをプロモートしてきた人にとって、ある日突然、誰かがすべての賞賛を浴びるということに不満はないですか?

Q:ふたつの道があります。ひとつはじっと座ってあなたを羨むこと。もしくは、ブルーグラスが脚光を浴びたことを喜び、あなたに感謝することです。上手く行けば、若い人たちをブルーグラスに惹きつけることが出来ます。最近はカルチャーセンターなどからの仕事も増えていますよ。
ヨハン・ヘルデンベルグ:それは良かったです。わたしの好みをこんな形で紹介できて、喜んでもらえれば名誉なことです。

Q:ブルーグラス大使となったあなたに感謝です。でも、いつまで続くでしょうね?
ヨハン・ヘルデンベルグ:今は大きなパーティのようなものでしょう。いずれ知的で文化的な世界からの逆襲があるはずです。彼らはまたネガティブなことを言いはじめるでしょうね。でも今は、彼らは何もできません。


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