OUTSIDE IN TOKYO
ANDO SAKURA INTERVIEW

安藤サクラ『トルソ』インタヴュー

6. 映画館はツー・マッチ(笑)!音もあるし、見なきゃいけないし、みんなもいるし!

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OIT:映画は結構見る方ですか?
A:あまり見ないです。

OIT:見ない?それは興味がないから?あえて?
A:あえてとかじゃないです。私に“あえて”っていうのはあまりないです。

OIT:それでは見た映画は?
A:最近?DVDを含めて?最近、なに見ただろ?

OIT:じゃ、最初に見た映画は?
A:たぶん、『ドラえもん』。あと『クレヨンしんちゃん』。

OIT:じゃ、好きな映画は?
A:あまりそういうのないんです。最近見た映画は『アリス・イン・ワンダーランド』だ。あとアニメの『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形』も見た。DVD で『長くつ下のピッピ』も見返した。でも『アリス・イン・ワンダーランド』も『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形』もぜんぜんファンタジックじゃなくてとても寂しかった。なんかファンタジーを期待してたら、ぜんぜんファンタジーじゃなくて。でも子供の時、唯一大好きだったのが『長くつ下のピッピ』で、どんなのだっけと思って、借りて見返したら、わりとすぐに飽きちゃった(笑)。吹き替えだったし。5分見るのはいいし、楽しいのは分かるし、大好きだった気持ちもとてもよく分かるんだけど。あと、あれが楽しかった。『ウェディング・ベルを鳴らせ』!私はハッピーなのを見ていると、映画館でも「ぷーーー!!!」とか言っちゃうし、手も叩いちゃう。

OIT:アメリカ人みたい(笑)。
A:『インビクタス』を見た時は一緒に観客みたいになって手を叩いちゃった!でもその反対でつらいのを見ると、見ながら一緒にうーって落ちちゃうし、見た後もウツっぽくなる。

OIT:他の映画は見ている?
A:とにかく映画一本見るのに私はものすごくエネルギーを使ってしまう。だから映画を見ると結構しんどくなっちゃう。映画を見にいこうと心に決めて、行けた時期も1年半くらいあったけど、やっぱり映画を見る前はかなりの心構えが必要。だからあんまり見れないから、本数も持ってないし、あと、血とかがとっても苦手なんです。血とかセックスとか。あたしが(演技で)やってることばかりなんですけど(笑)。

OIT:以前、諏訪敦彦監督が、映画館に通う人は引きこもりだと言ってたけど、引きこもり体質ではないんですね(笑)。
A:いや、結構、部屋の中に一人っていうのは何年かありましたけど。って、何年引きこもってたんだって感じに聞こえますね(笑)。

OIT:すごい告白みたいですね(笑)。
A:部屋にいても、本を読むとか、ゲームするとか、音楽を聴くとかもなくて、無音のところでじっといることはある。だから映画館の方がツー・マッチ(笑)!音もあるし、見なきゃいけないし、みんなもいるし!ちょっと強迫観念に駆られちゃうところがある。

OIT:じゃ、結構、仕事を実際にしている時間は短いと言ってたけど、家にいる時間も結構長いんですか?
A:はい、わりと。でもそうすると気が狂いそうになる(笑)!私は今日何をするべきかっていうのを毎日考えてる気がします。

OIT:ちなみに、お姉ちゃんの映画を見た感想は?監督としてとか、作業としてではなく。
A:なんか、すごくせつなかった。違う。せつないとかじゃなくて、意味もなく泣けるところがあったりした。映画を専門的にとかそういうのじゃなくて、見てるのが辛い時もあった。でも楽しかった。私は単純に楽しかったか、退屈か、つまらなかったかしか感想はないんです。“これ、いい映画”とかいう時の、“いい”の意味が分からない。これ見たけど、“すごく楽しかった!”しかない(笑)。だからたぶん、映画関係の変なおっさんとか…。

OIT:僕らも変なおっさんです…。
A:(笑)違うけどー。変なおっさんとかが、ちっちゃい時から家に来ていて、いろいろな映画云々とかいうのがすごく嫌いだったのかもしれない。

OIT:(笑)周りに映画人が多かったからですね。
A:だからちっちゃい時から、家族で何か見に行った時、感想を話すのが私にはとても怖かった。だからおばあちゃんと『ドラえもん』とか『クレヨンしんちゃん』を見に行くのがすごく楽しかった。だからその部分がまだ残ってるのかも。

OIT:ちょっとブルーになった時に、これをやると治るという特効薬はないんですか?『クレヨンしんちゃん』を見れば治るとか。
A:私はとってもルンルンでファンタジーな一日を過ごす!お母さんに会ったり、一緒にごはん食べたり。家族のもとに戻る!でも映画もたくさんがんばって見るつもりです。きっとすごく好きな映画“たち”がいるはず!

OIT:いい映画たくさんありますよ。まだ見てないだけかもしれないですね。
A:そう思ってるんです。だからまずは、ひとつの部屋にじっとしてることに慣れようと思って。知らない人とじっとひとつの画面を見ることに慣れて。きっと本当は映画、好きなんだと思うし。

OIT:3Dの映画は見てないですか?
A:あ、『アリス・イン・ワンダーランド』を3Dで見ました。でも鼻が低いから鼻が重くて集中できなかった(笑)。『不思議な国のアリス』は大好きで、アリスの話だと思って行ったら、あれ、アリスの話じゃない!って。とっても現実的な話でした。

OIT:それならどんどん自分が海外の映画に出てくださいね。
A:じゃ、がんばって飛行機にのって。移動が苦手です。移動って、エネルギーの使い方がすごいじゃないですか。でも知らない場所に行くのは大好きです、行けるようにします!

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