OUTSIDE IN TOKYO
EMMANUELLE DEVOS & MARTIN PROVOST INTERVIEW

エレノア・コッポラ&ダイアン・レイン『ボンジュール、アン』インタヴュー

3. 本当に心が命じる、好きなことをやることです(エレノア・コッポラ)

1  |  2  |  3  |  4



Q:監督にお伺いしたいのですが、作品の中のエピソードは監督ご自身の体験が含められていると思うのですが、どこまでが本当のことなのでしょう?
エレノア・コッポラ:私は確かに、フランスの男性と同じルートで実際にドライブをしたことがありました。今はコンピューターだ、インターネットだって忙しい時代でしょう、特に私は忙しい人生を送っていましたから、そのドライブの時に本当に目が覚めて、余裕のある時間を持つことの素晴らしさを感じたわけです。田舎の風景、食べ物の美味しさに目覚めて、帰国してからあの自分の感じた新しい驚きを映画にしたいという、そういう気持ちはそこで実際に生まれたものです。映画の枠組みとしては、実際に起きたことを使っているのですが、後は自由奔放に自分の創作を入れていきました。例えば娯楽性を高めるために、キャラクターをよりユニークに肉付けしています。特にジャックというフランス人は、実際のフランス人の友人よりも、もっとカラフルにしています。車も故障していませんしね、そういうことはすべてイマジネーションで付け加えていったことです。
Q:作品の中でアンは新たな体験をすることで、どんどん輝きを増していきます、お二人もこれまでずっとお仕事をしながら、母親として、一人の女性として生きてきて、ご自身で綺麗でいられる秘訣っていうのがあるのではないかと思うんです。そこで、お二人の美しさを保つ秘訣を教えて頂けないかと思うのですが、いかがでしょうか?
ダイアン・レイン:睡眠とお水をよく飲むことかしら(笑)。あとは遺伝子、私の場合は、母親が綺麗な女性でしたから、それを受け継いだだけで私が頑張ったわけではないですね。でもこの『ボンジュール、アン』という作品から学んだのは、いつでもどこでも楽しむ、先程、エレノアが“余裕のある時間”って言っていたけれど、そうした余裕を持つことも大事ね。そういう姿勢って凄く周りの人たちに感染していくものだと思うんです、みんなも同じように感じますから。人というのは、自分のものの見方とか感じ方を広げていける存在なのだと思います。
エレノア・コッポラ:睡眠と水、これは重要ね(笑)。そして、本当に心が命じる、好きなことをやることです。みなさん日常が忙しいから、そういうところから背を向けて、どうしても自分の忙しい日常に巻き込まれることが多いけれど、やっぱり自分の心の声に耳を傾けて、その方向に導かれていくべきなのです。自分は何か、どういう性格の人間かということを見極めて、それに従っていくことが重要ですね。


←前ページ    1  |  2  |  3  |  4    次ページ→