OUTSIDE IN TOKYO
ELISE GIRARD INTERVIEW

ギデンズ・コー『あの頃、君を追いかけた』インタヴュー

3. 実際の自分は、映画の中よりも、もっとテストと勉強に明け暮れていた

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OIT:もちろんあれは自分の経験ですよね?
ギデンズ・コー:いや、あれは自分の経験ではないんです。彼らがああいう行為をしてから二人で立たされて先生に廊下で怒られてるシーンがあります、その時に彼が答える、「でも発射はしなかった」っていう言葉が凄く面白いので、その言葉を言わせる為に、その前にああしたシーンが必要だったので、脚本の段階で順序立てて書いたわけですね、あの言葉が面白いと思ったから。

OIT:ちなみにその後の、もう一人の女の子の「抜くってなあに?」っていうのが笑いました。あのタイミングが絶妙でした(笑)。
ギデンズ・コー:性のああいう微妙なところっていうのは、凄く重要な青春の一部分ですよね、どうしても必要な。凄く面白い部分なのであれは入れたいと思った。

OIT:でも実際にあれぐらいバカだったんですか?
ギデンズ・コー:あの時代っていうのは、教室で例えば恋人同士がいるとしても、手を繋いでたりしたら先生にもの凄く怒られるわけです。高校時代は恋愛は止めなさい、大学に入ってからそういうことをしなさいっていう風に怒られた時代なんですね。だからああいう性への妄想っていうのは凄く自然に出てくるものですよね。

OIT:バカ過ぎて映画には入れられなかったことで実際に自分でしたことはあるんですか?
ギデンズ・コー:実は、映画の中よりも、自分はもっとテストと勉強に明け暮れてたんです。坊主にしたり、喧嘩をしたり、というのは実際にあったことです。ただそれよりも、自分の大好きなチアイーと一緒にいる為に、二人とも一生懸命テストの勉強ばっかりしていたわけですけれども、そういう無味乾燥な青春時代をそのまま映画にしてもちっとも面白くないので、その二人が一緒にいる為に、どういう面白いことをするかっていうのを考えて、映画にあるような誇張したシーンを幾つか盛り込んだのです。

OIT:小説なわけですね、フィクション。
ギデンズ・コー:幾つか映画の為に脚色した部分は、事実と違うことが結構あります。喧嘩の場面もそうですし、二人が口喧嘩をする時も、電話で口喧嘩っていうと、よく二人の顔を画面の半分に分けて(分割画面)、こっちとこっちで受話器をとって喧嘩をしてるっていう風に撮る場合がありますけれども、それじゃ面白くないのでやっぱり自分なりの工夫をして撮りました。また、先生が勉強の出来ない僕をちゃんと勉強させる為に、この優秀な女子の前に座らせたっていうのは本当にあったことなんですけど、その理由は、なにも映画に描いたように自慰行為をしたから先生が怒って前に座らせたということではなかった。その理由は映画と現実とは違っています。


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