OUTSIDE IN TOKYO
KOYUKI INTERVIEW

『わたし出すわ』
小雪 オフィシャル・インタヴュー

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実際に小雪さんが持たれている性質と摩耶の性質の中で、似ている点、もしくは違う点はどういうところでしょうか。
決めたことは必ず全うしようとするところは似ているかもしれないですが、それ以外はあまり似てないと思います。

森田監督と実際に仕事をされ、監督はどのような人だと思いましたか。
心の底に熱いものを秘めている人だと思います。色々な引き出しが自分の中にあって、それを日によって出してみたり、少年のような部分や大人びた部分も持っていたりと色々な自分がいる、とても魅力的な方でした。

今回、初共演の方が多いですが、皆さんの印象はどうでしたか。
皆それぞれ個性があって、持ち合わせているものも違うので、すごく良いキャスティングだったと思います。女優さんと共演させていただくことは、とてもエネルギーになるし刺激を受けます。今回、黒谷さんとも初めてご一緒したのですが、元々モデルをやられていて昔から知ってはいたのですが、なかなかご一緒する機会がありませんでした。今回仕事ができることがすごく嬉しかったです。とても濃厚な時間を過ごしました。

今回、撮影で一番大きなポイントというと函館ロケが挙げられると思いますが、函館の印象はどうでしたか。
最初は全く印象を持っていなくて未知の世界だったのですが、函館が本当に好きになりました。旅行でまた行こうかなと思っています。地元の人が本当に温かかったり、人との距離感も少し東京の人と似ているところもあったり、バランスがいいと思いました。その土地を愛してそこに住んでらっしゃるということをすごく感じます。

一番好きな場所はどこですか?
マラソンで走っている大沼のあたりがすごく素敵でした。自然が豊かな所なのですが、ちょっと行くだけでご飯屋さんもたくさんあって、短時間の移動で、あんなに雄大な自然の中に身をおけるなんてすごく印象的でした。

実際に映画が完成して、一番最初に見た時の感想はいかがでしたか。
いつも自分の作品を観ると客観的に見れないことが多いです。こうすれば良かった、ああすれば良かったと、欠点や課題に目がいってしまいます。でも、今回はストーリーを楽しめました。私がこう思って解釈した芝居も、映像だといろんな解釈が出来るのだなということを感じました。解釈の可能性が広がったという発見があって、本当に面白かったです。

演じて印象に残っているシーン、本編を観て印象に残っているシーン、好きだったシーンはどこですか。
例えば、台本でのセリフの強さとか、他愛もないシチュエーションでの会話がすごくいい絵になってその空気感が出ていたり、映画はそのような意外な発見が面白いなって思います。この映画も見る方の想像力を刺激する作品の類に入るのではないかなと思っています。摩耶とお母さんのシーンは特に肝になっていると思いますが、私は、色々なことがあって土手を他愛もなくただ歩いているというシーンに、すごく情緒があると感じました。その時の気候とか雰囲気とか空気とか、そういうものがこの作品のテイストを醸し出しているんだと思います。そこがとても素敵だなって。

完成した映画を観終わって摩耶という人物像に共感を抱いく部分はありましたか。
共感を抱くというより、摩耶も幸せを見出だせて良かったなという安心感がありましたね。人は孤独といつも共存していくもので、それが人生だと思います。そのこととどう向き合っていくかということは、ただ一生懸命生きるしかないのですよね。彼女の信念やお金の使い方は今という時代につながっていると思い、すごく気持ちが豊かになりました。気持ちが豊かになれる映画であり、新しい発見もあって、とても深い作品なのだと思います。

最後にメッセージを一言いただけますでしょうか。
この作品は『わたし出すわ』というタイトルのインパクト以上のものが、本編を観てもらえると感じ取れると思います。ですので、私自身もそう感じたように、もちろん、この作品が観ていただいた方のお金の使い方を考えるきっかけになればうれしいですし、日常生活においても何か人間関係とか大事なものに対して生きる指針をつかむヒントになればとても嬉しいです。


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