OUTSIDE IN TOKYO
SETA NATSUKI INTERVIEW

瀬田なつき『PARKS パークス』インタヴュー

2. 永野さんは、考え過ぎずに瞬発力でぱっと掴んでしまう力があった

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OIT:ハルとのやり取りでもちょっと男言葉になったりして、新鮮でしたが、そのハルを演じた永野芽郁さんはどういう経緯で出演が決まったのでしょう?
瀬田なつき:永野さんとは、何人かオーディションしている中でお会いしたんです。『俺物語!!』(15)は観ていたんですけど、お会いしたら、飾らない感じで、すっと役に入っていくようなところがあって。ハルっていう役は、リアリティがあり過ぎても駄目だし、かと言って演技し過ぎても違うという感じで、結構難しくて。でも、永野さんは、その中間を上手く行き来して、本人も考え過ぎずに瞬発力でぱっと掴んでしまう力があったので良いなと思ったんです。

OIT:体の動きがしなやかで、雰囲気が柔らかいですよね。
瀬田なつき:特に具体的に言わなくても、ご自分で自由に作ってくれたりしました。

OIT:それほど細かい演出はしていないと。
瀬田なつき:こちらからは、動きを作ってくださいとは言いましたが、それほど具体的に指示はしてないですけど、みんな色んな動きを入れてきてくれて(笑)。

OIT:橋本さんのあの手の動きとか。
瀬田なつき:そうですね、あれは多分ご本人の癖なんだと思います。いいですよね。

OIT:モンキーダンス的な(笑)。
瀬田なつき:私も編集していて、あ、これまた出てると(笑)、現場では気付いてなかったんですけど。


OIT:ちょっと凛としていない方の橋本さんですね。石橋さんはどのような経緯で決まりましたか?
瀬田なつき:石橋さんも何人かお会いした中で決まったのですが、その時は作品などにはまだ何も出演されてなかったんです。歌が重要だねっていうことがあったので、歌と、演技で少しエチュードみたいなことをやってもらいました。好きな歌を歌ってもらったのですが、結構レベルが高い歌をいきなりアカペラでやってくれたんです。それが、いきなりこんな?っていうぐらい上手くて。演技も初めてなので、逆に何にも染まってない感じが凄く魅力的でした。ご本人も、楽しんで凄く頑張ってくれました。

OIT:石橋さんの歌にはびっくりしました。
瀬田なつき:そうですね、本当に上手かったです。ダンスもされてたって仰ってました。

OIT:歌はレッスンとかを受けていたわけではない?
瀬田なつき:歌は別にしてはいないようですが、お姉さまが歌手なんですね。吉祥寺には高校があって、井の頭公園にもよく行きますっていう話をされたので、何かご縁を感じますねという話しをしました。

OIT:最高のキャスティングだと思います。
瀬田なつき:そうですね、その場でどんどん世界が生まれてくるっていう感じでした。

OIT:先ほど仕草についての話が出ましたけど、染谷さんは凄いキャラを作ってましたね。
瀬田なつき:作ってました。最初の段階では、それほど細かく言わなかったんですが、橋本さんにはちょっと重たくなる時にもう少し軽くやってくださいとか、テンポを上げてやってくださいとか、ざっくりとしたことを現場で話しました。染谷くんは本読みの時から、結構作り込んできて。それを、若干抜いてもらったぐらいです。現場では染谷くんが色々仕掛けて、動いてくれたので周りもこういう風にしていいんだみたいな感じのノリが生まれました。

OIT:なるほど、いわゆる即興的な動きが。
瀬田なつき:そうですね、動きを入れてくれて、こうしてもいいんだっていう引き出しをたくさん見せてくれました。

OIT:3人が純の部屋に集まって、ラップを始めて、おごってくれるの?みたいな話になっていくとか、あの辺の展開は脚本には書いてたんですよね?
瀬田なつき:ふわっとセッションが生まれるって一行で書くと簡単なんですけど、当然のことながら、ふわっとってなかなか普通に出来ないから、撮影が早く終わった後や、空き時間に練習というか、どうやったらそういう決まってるものを決まってなかったみたいに、その場で生まれたように見せられるかということを、何回か事前にみんなで作っていきました。その“おごって”はその中で生まれたという感じでした。やる度に毎回少し違ってて、普通はそういう時って1回目のOKテイクに合わせて同じことをやらなきゃいけないんですけど、今回はそこを気にすると、新鮮な感じ、その場で生まれたみたいな雰囲気がなくなってしまうと思ったので、テンポだけは揃えないと編集で大変なことになるんでテンポは維持しつつ、言い方とか動きは、前にやったのと変わってもいいですよっていう感じでやりました。

OIT:その前に読み合わせはやってるんですか?
瀬田なつき:1回だけ顔合わせの時に、脚本の台詞をみんなで言う読み合わせみたいなことはやりました。現場では段取りって言うんですかね、動きを作って確認して本番すぐやる感じでした。


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