OUTSIDE IN TOKYO
ANDREAS DRESEN INTERVIEW

アンドレアス・ドレーゼン『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』インタヴュー

4. グンダーマンは毎日働いている露天掘で思いついた事を歌詞にして、
 それが昇華されて素晴らしい詩になりました

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OIT:最後にグンダーマンの曲について教えてください。二つ気になる曲があります。一つは、「今日より明日が いいわけじゃない」という歌詞のある曲について、もう一つは、映画の一番最後に歌っていた曲がこの映画の最後に相応しい、コニーとの愛や離れていた父親のことを想起させる素晴らしいものでした。
アンドレアス・ドレーゼン:最初の「今日より明日が いいわけじゃない」という歌詞の曲は「僕はここで生まれた」という曲です。「牛は痩せて 幸せは薄い」という言葉も出てきますね。最後の曲は「仲直りしよう」っていうタイトルで、ほぼその通りの内容です。実は主役のアレクサンダー・シェーアと私は、この映画が出来た後、一緒にずっとコンサートツアーをしていました、ドイツ中を周ったのです。本当は今もやりたいんですけど、今はコンサートが開けません、もし可能なら今年の夏ぐらいにもう一度コンサートをやりたいと思っています。コンサートを開くと、凄く沢山の人が来てれるんです。グンダーマンのファンも多いですし、グンダーマンの曲を昔のCDではなくて、ライブで聴きたいという人が沢山いるのです。

OIT:日本でもグンダーマンの詩集があれば、グンダーマンへの理解が更に深まるでしょうね。
アンドレアス・ドレーゼン:ドイツではグンダーマンの詩集が2冊出ています。だから今、ギターで弾くことも出来ますよ(笑)、ドイツ語ですけれども。

OIT:グンダーマンは、バッドランドや低い土地についても歌っていたようですね。
アンドレアス・ドレーゼン:グンダーマンは確かにソングライターですけれども、一般に言われるソングライターと違って彼は詩人だったと思います。低い土地やバッドランドについて確かに書いていましたが、彼は批判精神の強い人物でした。他のシンガーソングライターのように芸術としての曲を書くというよりも、自分が毎日働いている露天掘で思いついた事を歌詞にして、それが昇華されて素晴らしい詩になりました。普遍化された詩になるので、グンダーマンが歌っていた時も人気はあり、ファンが多かったけれども、今、自分達が歌っても理解される、そういう普遍的な意味合いが強い詩を書いています。だから平均的なシンガーソングライターではないと思います、それが彼の魅力の一つだと思います。

OIT:それでボブ・ディランに喩えられたということですね。
アンドレアス・ドレーゼン:その通りです、露天掘のボブ・ディランです。



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