OUTSIDE IN TOKYO
JAPAN PREMIERE

ケイト・ブランシェット『キャロル』ジャパン・プレミア

2. ジェンダーの垣根を超えた、ロミオとジュリエットのような純粋な愛

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クリス・ペプラー:ケイトさん、ようこそ日本へ、そして、アカデミー賞主演女優賞ノミネート、おめでとうございます。そして今回受賞されましたら、『アビエイター』(04)の助演女優賞、『ブルージャスミン』(13)の主演女優賞に続き、3度目のオスカーということになるわけですけれども、今回はルーニー・マーラさんとのダブルノミネートということで、ぜひ一緒に受賞して頂きたいという気持ちでございますが、ルーニー・マーラさんと一緒にノミネートされたお気持ちはいかがですか?
ケイト・ブランシェット:本当に素晴らしいことだと思います、やはり多くの同じ業界の方々から認められてのノミネーションということですから、大変栄えあることですし、また、この『キャロル』という作品からは他のたくさんの方がノミネートされています。皆様にはこれからご覧頂くわけですけれども、この作品は私とルーニーが演じている二人の女性の間の愛が描かれています、ですからやはりルーニーと共にダブルノミネートされたことは何よりも嬉しいことです。
クリス・ペプラー:いよいよ日本での公開は(1月22日現在)1ヶ月を切ったわけですが、少し作品について伺っていきたいと思います。ケイト・ブランシェットさんは数々の作品で様々な役柄を演じていらっしゃいますが、今回キャロルという女性についてどのように思われているのか、そして演じていてどういった部分に共感されたのか教えて頂けますでしょうか?
ケイト・ブランシェット:演技というのはやはり、自分の見知らぬ人と繋がる努力をすることなのではないかと思っていますので、そうした意味では今回も例外ではありません。舞台は1950年代、当時は同性同士のこうした愛というのは犯罪だったんですね。原作はパトリシア・ハイスミス、ご存知の方も多いと思いますが、クライムノベル(犯罪小説)の女王として知られています。ただ『キャロル』という今回の物語では、殺人あるいは銃が出てくるのではなく、その犯罪が愛だという、そういうストーリーなんですね。あまり内容については明かしたくはないんですけれども、劇中、私の演じるキャロルはありのままの自分であるか、あるいは母親としてどうあるべきなのか、そういった非常に辛い選択を迫られる場面もあります。
クリス・ペプラー:今作ではテレーズ役のルーニー・マーラさんと恋愛関係に落ちるわけですけれども、ルーニーさんとは初めての共演、そして初めてのラブシーンを演じられました、男性とのラブシーンに比べて女性とのラブシーンというのはいかがだったでしょうか?
ケイト・ブランシェット:細かいところは色々と違いますでしょう。これこそが映画というものの力なのではないかと思いますけれども、トッド・ヘインズ監督だからこそ、今回こういった作品が出来たということ、そして、女性同士とか、女性、男性という、ジェンダーの垣根を超えた、ロミオとジュリエットのような純粋な愛が描かれているということです。つまり、愛は愛である、そこに変わりはないのです。


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