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4. 二倍で台詞を読む練習をさせて、 |
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OIT:坂道で荷物を担いだお婆ちゃんとすれ違って、デジカメで撮って逃げていく、それで意気地がないねって言われるシーンがありますけど、あのコミカルな間は結構リハーサルで作ったんですか?
小林啓一:そうですね、リハーサルで作りました。最初は、二倍で台詞を読む練習をさせて、とにかく無意識のうちにぽんぽんぽんぽんやり取りが出るようにして、撮影の数日前に戻したんです、そうするともう自然にできた。
OIT:そういう演出は、テレビの現場で学んだことが活きた事もあるんですか?
小林啓一:なんですかね、感覚的なものなのかもしれないですけど。
OIT:現場でリハーサルやってるうちに、こうやったらいいんじゃないかっていう風に、現場で作ったんですか?
小林啓一:はい。あと、以前オーディション番組をやってる時に自分でカメラを持って取材とかするんですけど、その時にやっぱり欲しいコメントっていうのがあるんですよ(笑)。で、そのコメントをどう引き出すのかっていうのは雰囲気作りとか接し方から始まる、そういう所はちょっと活きてるのかもしれません。表情を引き出すためには何を言ったらいいのかとか、それはプロモーションビデオでもそうなんですけど。
OIT:今回、撮影を自分でやられてるんですよね、それは予算的な事ですか?
小林啓一:予算的な事が一番大きいですけど、自分でも出来る機材があるんで、練習すれば何とかなるかなと。あと時間的な問題とか。今まではカメラマンとずっとやってきたんで、今回は自分でやってもいいのかなって正直ちょっと思ってる部分があったんです。
OIT:次撮るとしたら、また自分でやりたいですか?
小林啓一:まだ当分、身体が動くうちはやりたいですね。あとは、ものによると思いますね。アクションがやりたくなったら、自分でやらない方がいいですし。
OIT:この映画には音楽が一切ないですね、これはプラン通りですか?
小林啓一:そうですね、始めからです。カメラを自分で手持ちでやるっていうのをまず決めて、ドキュメンタリータッチに描きたいと、そうすると音楽は当然流れてこないっていう。
OIT:編集はどうでしたか?もう流れが出来てる中で撮影したから、それほど大変でもないような感じですけど。
小林啓一:編集はあんまり大変じゃないですね。多少映り込んでるカメラをちょっと消したりとかしたんですけど。それ以外は、編集の間とかは撮影する前から決めてました。
OIT:撮影の現場で作られた感じの映画で、編集室であれこれやって作られた部分は少ないという。
小林啓一:少ないですね。
OIT:『ももいろそらを』っていうタイトルは、どういう風に決めましたか?
小林啓一:初めは、『About the pink sky』っていうタイトルで何となく仮で決めてたんですよ。空がピンク色になる事についての話だっていうつもりで書いたんです。そのまま日本語訳にすると『ももいろそらを』になるっていう。
OIT:ピンク色の空になる映画だという時点で『天国と地獄』(63)は頭の中にあったんですか?
小林啓一:全く考えてなかったですね。そういえばそうだっていうことにやっているうちに気が付いたんです。だから煙をピンクにするのかも悩んだんですけど、それをやると、やっぱりピンクになったねで終わっちゃう。いづみって女の子がちょっとでも自分で行動して、人のために何かをしようっていう、その結果があの煙っていう感じになるんで、ピンクになること自体よりも、手前の二人の心の揺れ動きの方が大事なのでピンクにはしなかったんですけどね。
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