OUTSIDE IN TOKYO
NICOLE KIDMAN INTERVIEW

ニコール・キッドマン『ラビット・ホール』オフィシャル・インタヴュー

2. 大きなショックを受けたとき、どのようにして人は生き続けることができるのか?

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Q:あなたを惹きつけたこの原作の具体的な魅力はどんなところですか?
ニコール:主人公の夫婦が自分たちの子どもである6歳の少年を亡くしてから、8ヶ月。そしてそれに向き合いながら、どうやって人は生きていくのだろう? 生きたいという欲求を奪い去ってしまうような、このような大きなショックを受けたとき、どうやって人は生き続けられるのか? そしてそれは結婚に関することであり、家族に関することであり、そして究極的に、生き続けることと希望に関する問題でもあるのです。それが私がこの物語についてとても素晴らしいと思う点で、その繊細さであり、とても鋭い台詞を包括したその手法であり、でも同時に驚くほど皆の痛みが感じられ、まるで地雷原のようなものであるということ。人々は地雷原の中を歩いている。でもその歩みを通じて、未来の瞬間が、私たちが共にいる理由が、そして、痛みを通じて私たちがひとつになる多くの時間が、この物語を通じて照らし出されるのだと考えたのです。

Q:映画化においては、原作者のデヴィッド・リンゼイ=アベアー自らが、脚本を書き上げました。そして監督にジョン・キャメロン・ミッチェルを選んだのはなぜでしょうか? 理由を教えてください。
ニコール:デヴィッドには天性の才能があると思います。映画的なセリフがどのようなものかを本当に分かっていたし、キャラクターたちのこと、彼らが何を体験してきたかを完全に理解していました。彼と仕事をするのは本当に素晴らしい経験でした。(監督選びに関しては)私たちがジョンを監督に「選んだ」と言えるのかどうか・・・。私が思うに、ジョンは自身でこの作品を見出し、私たちはそんな彼を見つけたのです。そう表現する方がずっとしっくり来ます。ジョンは粋で、とてもオープンな人です。役者にとってオープンな監督と仕事をするのはとても素晴らしいこと。彼は俳優でもあるから、演技をする上で欠かせないものを理解しています。また彼は、オープンであるのと同じくらい、抑制も持ち合わせていた。というのもこの映画の題材自体がとても円熟した、生々しいものだったから、登場人物の感情を抑える必要があったのです。そしてそぐわないものをコントロールし得る監督が必要だった。ジョンは芝居がかった映画にならないよう、とても抑制を働かせていたました。

Q:夫役ハウイーにアーロン・エッカートを起用した理由を教えてください。
ニコール:アーロン・エッカートは、常に夫ハウイーを演じる候補でした。というより、私たちにとって彼が一番の選択肢でした。彼が脚本を読んで、そして脚本を気に入ったと聞いて、私たちは「やった!もしかするとアーロンはイエスと言うかもしれない」と思いました。そして私が彼に電話をしたのです。かけるまでは、私は電話で話すのが得意ではなくて、実は人間的にとてもシャイなので、誰かに何かを売れるような人物ではなくて・・・、だから私は「・・・彼に電話をするのは得策だろうか?」と考えてしまったほどでした。でも彼には今までも何度か会っていたし、彼をとても高く評価していること、そして私が相手役を演じるのに、またスクリーンですてきな夫を演じるのに素晴らしい男性だと感じていることを、ただ彼に伝えたくて電話をしたのです。そんな経緯があった後、アーロンは「イエス」と言ってくれました(笑)。

Q:実際に夫婦役を演じてみていかがでしたか?
ニコール:アーロンはこの映画に、持っているものすべてを注いでくれました。ユーモアと知性によって、素晴らしい夫ハウイーのキャラクターを作り上げたのです。彼が加わって、作品が輝いたと思います。本当に素晴らしくて、彼がたどるプロセス、あらゆる手段を試みる様子を見るのは最高の体験でした。それに彼は俳優としてとてもオープンで、一緒に仕事をするには理想の人です。


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