OUTSIDE IN TOKYO
Pedro Almodovar & Penelope Cruz INTERVIEW

ペドロ・アルモドバル&ペネロペ・クルス
『抱擁のかけら』オフィシャル・インタヴュー

『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『トーク・トゥ・ハー』(02)、『バッド・エデュケーション』(04)、『ボルベール<帰郷>』(06)と映画作家として最高の円熟期を迎え、新作を作る毎に自身の最高傑作を更新し続けているスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルから3年振りの新作が届けられた。様々な形の”愛の抱擁”とアルモドバル一流のメロドラマに彩られた極彩色の新作『抱擁のかけら』で主演を務めるのは、アルモドバル作品に4度目の出演となるスペインの至宝ペネロペ・クルス。アルモドバルは、”理想の女性”として崇拝するソフィア・ローレンの”地中海的な演技スタイル”を完璧に受け継ぐ後継者として最大限の賛辞をペネロペに対して惜しまない。賛辞がエスカレートしたのか?ペネロペとなら子どもを持ちたいとの発言も、自身のセクシュアリティはさておき、ラテン系男子の面目躍如な感じがご愛嬌。そんなペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスのオフィシャル・インタヴューをお届けする。

ペドロ・アルモドバル監督 インタヴュー

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観客の集中力を要求する映画ですね。
そうだね、それはいいことだと思う・・・でもまさにそれが僕の不安でもあるんだ。今、映画館に行く人たちは、見ているときに本当に集中しているだろうか?この映画は、観客に2時間、暗闇に座って集中することを要求するタイプの映画だ。2度見る必要があるかもしれない。2度目でさらによく飲み込めて楽しめるだろう。親しみが湧いてくるんだ!

『ボルベール<帰郷>』で大成功を収めたあとで、再びペネロペ・クルスとの仕事を楽しむことができましたか?
もちろんだよ。僕のやり方をよく理解しているだけでなく、心の大きな女性だ。彼女は疲れを知らないんだ。ぶっ通しでリハーサルしても、決してギブアップしない。それはとても重要なことだ。僕を盲目的に信頼し、僕の手に自分を委ねてくれる。監督にパワーを与えてくれる女優だよ。

レーナ役に彼女が最適だと思っていましたか?
レーナ役は、人生の暗い側面を経験したことのある、もっと年上の女優がいいだろうと思っていた。おそらくそういう経験はペネロペにはないだろう。だが、彼女は役を生かしてくれる。それは彼女が本当に優れた女優だからだ。

本作の衣装は素晴らしいです。衣装デザインの段階でどのくらい関わりましたか?
僕はチームで作業する。この映画の衣装はソニア・グランデだが、どんなスタイルがいいか、僕が提案した。それには多くの時間がかかるが、僕にとっては重要なことなんだ。『カサブランカ』でイングリッド・バーグマンがハンフリー・ボガートに久しぶりに会った時、最後に会ったのはいつか覚えているかと尋ねるところがある。彼は「もちろん」と答える。それはドイツ軍がパリに侵攻してきた日だった。彼は非常に鮮明に覚えていたが、それはドイツ軍が全員グレーの軍服を着ていて、彼女がブルーの服を着ていたからなんだ。彼はその日を決して忘れない。そういうことが人々の衣装によって明確に示されていたんだ。

本作でペネロペがさまざまなカツラをつけますね。とても印象的です。それによってレーナは別の人間に変身します。
それも監督の仕事だ。あのプロセスは楽しかったよ。監督は、誰か、つまり自分の意のままに動いてくれる女優の上にキャラクターを構築する。あのシーンでは、映画の準備期間中にペネロペと一緒にやってみたことをそのまま再現してみたんだ。

『抱擁のかけら』
LOS ABRAZOS ROTOS(英題: BROKEN EMBRACES)

2月6日(土)全国ロードショー

監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
撮影監督:ロドリゴ・プリエト
音楽:アルベルト・イグレシアス
編集:ホセ・サルセド
プロダクション・デザイン:アントン・ゴメス
アート・ディレクション:ヴィクター・モレロ
衣装:ソニア・グランデ
製作:エステル・ガルシア
製作総指揮:アグスティン・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ポルティージョ、ホセ・ルイス・ゴメス、ルーベン・オカンディアノ、タマル・ノバス

2009年/スペイン/128分/カラー/シネスコ/SRD・SR
配給:松竹
提供:松竹、ショウゲート、朝日新聞社

©EL DESEO,D.A.,S.L.U. M-2535-2009© Juan Gatti / El Deseo
©2009Emilio Pereda & Paola ArdizzoniEl Deseo©Juan Gatti / El Deseo

『抱擁のかけら』
オフィシャルサイト
http://www.houyou-movie.com/


『抱擁のかけら』レビュー
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