OUTSIDE IN TOKYO
Jan Svankmajer INTERVIEW

ヤン・シュヴァンクマイエル
『サヴァイヴィング ライフ ー夢は第二の人生—』インタヴュー

4. 創作する人は、創作することと生きることを区別することは出来ない

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OIT:もっと聞きたいところですが、時間の制約があるので話を変えます。あなたは他の人の映画は観ますか?
JS:選んで見ます。最近の映画ではデヴィッド・リンチですね。

OIT:ああ、ところでリンチはシュルレアリスムに入りますか?
JS:彼は自分のしていることを、言葉では言っていませんが、よく見るとどこかシュルレアリスムと関わっているのではないかと感じます。ブルトンの引用で申し訳ないですが、シュルレアリスムの絵画、シュルレアリスムの映画、シュルレアリスムの彫刻というのものは存在し得ないと言いました。要するに、絵画におけるシュルレアリスム、彫刻におけるシュルレアリスム、映画におけるシュルレアリスムという定義を挙げているわけですね。ただリンチの場合も、映画におけるシュルレアリスムを見出すことが出来るのではないかと思います。

OIT:他の映画はどうですか?
JS:コーエン兄弟ですね。チェコの30代の若手監督ですが、ダビッド・ヤジャもいます。ぜひ(通訳をしてくれている)チェコセンターの所長に上映してもらいます。すごく面白いですよ。

OIT:今聞いていると、リンチもそうですが、共通するのは無意識を拾い上げる人ですよね。
JS:おっしゃる通りですね。

OIT:僕が初めてシュルレアリスムに触れた時に感じた魅力も無意識でした。
JS:あと、もちろんフェリーニもいますね。忘れてはならないと思います。

OIT:では最後にシュヴァンクマイエルさん自身の意識として、自分は映画監督ですか、それともアニメーターですか?
JS:どっちもです。私が思うに、詩はひとつしかなく、あらゆる手段を駆使して、というか手段を選ぶわけですね。それでも別に映画を作らなくても私は生きていけます。別の創作をすることによって。

OIT:ではもう一つ。あなたは生きる人ですか、作る人ですか?
JS:あまり別々に考えたことがないですね。両方だと思いますが、(自分では)区別していません。

OIT:不可分であると?
JS:はい、分けられませんね。創作する人は生きることを区別出来ないと思います。

OIT:次の映画は実写ですか?
JS:原則的に、今のところは実写で考えています。

OIT:それでは楽しみはとっておくことにします(笑)。


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