OUTSIDE IN TOKYO
REHA ERDEM INTERVIEW

TIFF2010 レハ・エルデム監督インタヴュー

4. 俳優は男女問わず、プロセスの変化にオープンに対応してくれる人と仕事をします

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OIT:この次の作品はもう撮られているのですか?
RE:仕事はしています。今度は女性ですね、歌を歌う女性についての映画を考えています。

OIT:『マイ・オンリー・サンシャイン』や『コスモス』の女性がとても魅力的です。女優さんを選ぶ上での考え方、そして、どういう女性を描いていきたいのか、お聞かせ下さい。
RE:選ぶ時には、やはりいつも同じクライテリア(基準)がありまして、まずはキャラクターに合うか、相応しいかということです。映画の最終的に結果ではなくて、プロセスにいかに対応してくれる人かということです。映画制作のプロセスで色んな変化が起こりますが、変化にいつもオープンに対応できる人、それについてのドグマ的なものがない人ですね。というのは、私は映画を作る過程で、どの作品を作る時でも私自身が変わっていきますので、変化に対してオープンになってくれる人、そういったことを一緒にやってくれる人と一緒に仕事をすることにしています。顔というのは色んな顔がありますけど、それは必ずしも美的で美しいということではなくて、光を放っているようなとか、想像を掻き立てるような人とか、魅力的であるとか、男性も女性も同じ基準です。キャスティングはとても重要で、もしかすると準備作成段階で最も大事なことがキャスティングかもしれません。
例えばこの映画(『コスモス』)についても、最初にシナリオを与えるのではなくて、先程のドグマということですけど、ドグマ性がないようにと、シナリオをまず与えずに彼らにはあたかも鳥が鳴くように鳴いてごらんと、それだけを言いました。それで、彼らも自分達で研究して、こんなのどうだという風に私に提案してくれる。彼らも楽しんでやってくれました。私は、そういうことが出来る人達を常に探しているのです。開かれている俳優さん達を。(ふたりの男女が叫び合うシーンの場面写真を指差して)このシーンはとても典型的ですが、凝り固まらずに、こういう挑戦が出来る人達なのです。

OIT:『コスモス』に関してはタル・ベーラを思わせるものがあったり、『月よ』に関してはタルコフスキーの名前を挙げる人がいたり、色々な映画作家の名前が連想されて興味深いのですが、監督ご自身の影響、そういった名前の人達に感じるものはありますか?
RE:この作品についてはこれというのはありません。映画の歴史において、もちろん色々な自由な監督さんが沢山いて、素晴らしい人達だと思います。ただ、映画監督だけというのではなくて、絵画だったり音楽だったり文学だったり、色々影響を受けるものがあります。『コスモス』では、例えばドストエフスキーの名が挙げることができます。映画に関しては、元々、最初は50年代のアメリカ映画が好きでした。『月よ』については、むしろ溝口監督の影響があるのではないかと思っています。『ラン・フォー・マネー』だったら、ヒッチコックとかですね。色々です。
また一方で、私は監督として映画鑑賞も非常にたくさんしています。この映画祭でもできるだけ色々観たいと思ってますし、(日本は)色々と撮りたいところも多いですね。


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