
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
![]()
イタリア映画祭の10年を振り返って
|
5. 今年のセレクションの中の注目作品について |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
![]() |
![]() |
OUTSIDE IN TOKYO:今年のセレクションの中でベロッキオの2つが別格ですごいということの他に、これは押したいというものは? 岡本太郎:フランチェスカ・コメンチーニの『まっさらな光のもとで』が、すごくいいですね。これは映像も美しくて、内容もあるし、観ていて暖かい気持ちになれる映画。
OUTSIDE IN TOKYO:ルイジ・コメンチーニの娘さんですよね? 岡本太郎:二人いますね。もう一人はクリスティーナですけど、フランチェスカの方がいいです。あとこの『やがて来たる者』っていうのも、ちょっと不思議な映画ですけどおもしろい。それからアレッサンドロ・アンジェリーニの『頭を上げて』は、ちょっと問題作なんですけど。観た人がどう思うか、むしろ知りたい。展開が唐突で、前半と後半で全然違う映画になってる。僕はこの監督はすごく好きで、絶対にいい作品を撮り続けてくれるって思うんですけど。
あとおもしろいのはスザンナ・ニッキャレッリの『コズモナウタ-宇宙飛行士』とか。
OUTSIDE IN TOKYO:これは何かこの画が既におもしろそうなんですけど。
岡本太郎:とぼけた感じで。60年代の話です。
OUTSIDE IN TOKYO:月に行った時代。
岡本太郎:そうですね。ソ連が宇宙開発でアメリカをリードしていた60年代にイタリアでその10代の女の子がどうしてたかっていう、まあちょっと青春物語風、青春っていうよりもうちょっと若いですけど。あとダヴィデ・フェラーリオの『それもこれもユダのせい』はおもしろいです、これは独特のフェラーリオのセンスですね。役者の使い方がおもしろいですね。素人役者を、ほんとに上手く使います。刑務所で囚人を使って撮っています。
OUTSIDE IN TOKYO:本物の?
岡本太郎:本物の。おもしろいですよ、これ。
OUTSIDE IN TOKYO:『トリノ、24時からの恋人たち』の監督ですよね? 岡本太郎:そうです。だからあのすごいポップ感覚で。やっぱりあれも映画博物館という建物のロケーションが大きな意味を持っていましたが、これは刑務所ですね。刑務所が劇場みたいになっている。だけど別に舞台みたいになっているわけじゃないです、演劇ではないです。映画の感覚で撮っている。そこがおもしろい。
OUTSIDE IN TOKYO:主役はプロの俳優ですか?
岡本太郎:主役と何人かはプロの役者さんで、その辺はフェラーリオらしいなと思います。すごくポップなセンスだし。主演女優さんに超のつく魅力があることも間違いないですね。イタリア人ならそれだけで観に行くんじゃないかというくらい。
|
![]() |
![]() ■イタリア映画祭で上映された注目監督の作品 フランチェスカ・コメンチーニ監督 『ママは負けない』(04) 『私たちの家で』(06) 『まっさらな光のもとで』(09) アレッサンドロ・アンジェリーニ監督 『潮風に吹かれて』(06) 『頭を上げて』(09) スザンナ・ニッキャレッリ監督 『コズモナウタ—宇宙飛行士』(09) ダヴィデ・フェラーリオ監督 『真夜中を過ぎて』(04) 『プリモ・レーヴィの道』(06) 『それもこれもユダのせい』(08) |
![]() |
|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
![]() |
Copyright (C) 2008- OUTSIDE IN TOKYO All right reserved |