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イタリア映画祭の10年を振り返って
〜作品選定委員岡本太郎さんの21世紀ゼロ年代的イタリア映画ガイド〜
今年で10年の節目を迎えるイタリア映画祭。OUTSIDE IN TOKYOは、2001年の第1回から作品の選定に関わってきた岡本太郎さん(翻訳家・ライター)に、イタリア映画祭の10年間と今年の見所、ゼロ年代のイタリア映画についてお話を伺った。
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1. 第1回目は、日本では知られていないイタリアの実力監督を紹介した |
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OUTSIDE IN TOKYO:イタリア映画祭に関わるようになったのはいつからですか? 岡本太郎:2001年の最初からです。昔のイタリア映画を知っている人は沢山いるんですけど、その人たちは最近の作品を観ていないことが多い。例えば第1回のイタリア映画祭で紹介した監督で言うと、シルヴィオ・ソルディーニ、カルロ・マッツァクラーティ、マリオ・マルトーネといったイタリアではそれなりに評価の固まっている良い監督がいたわけです。ナンニ・モレッティよりはちょっと後の世代。その人たちがいたにも関わらず、その人たちのことすら知られていませんでした。ともかく代表的なものだけでも紹介しなければいうと感じはありました。ベロッキオやタヴィアーニといった日本で評価の定まっている監督も入れましたが。1回目はそんな感じでしたね。
OUTSIDE IN TOKYO:それから10年間続いて、映画祭の時点では、まだ公開が決まってないものを紹介されることが多いと思いますが、選定の基準はどんなものなのでしょう?
岡本太郎:基本は作品のクオリティです。でも1年目は特にお客さんが年配の方が多くて昔のイタリア映画を観ていた、そういう感覚で来られたら全然違うことになっているので、話しにならないわけです。でも、ともかくいい映画をという風に考えていました。
OUTSIDE IN TOKYO:やっぱり12本位あると、色々なものが、、、
岡本太郎:ようするに作品として質が高いものはもちろんですけど、イタリアである程度話題になってそんなに悪くない、というものはやっぱり入れた方がいいという考えはありますよね。
OUTSIDE IN TOKYO:力のある監督でも良い時とあまり良くない時とありますよね。
岡本太郎:例えばルカ・ルチーニは、いろいろなもの撮っていて作品によって出来不出来がある。『ただ、ひとりの父親』は良い方、そういうのもありますね、まあ映画だから。アレッサンドロ・アンジェリーニの映画なんかは前作が処女作だったんですけど、すごくいい映画です。
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![]() ■イタリア映画祭で上映された注目監督の作品 シルヴィオ・ソルディーニ監督 『アクロバットの女たち』(97) 『風の痛み』(01) 『アガタと嵐』(04) 『日々と雲行き』(07) カルロ・マッツァクラーティ監督 『聖アントニオと盗人たち』(00) 『ダヴィデの夏』(98) 『虎をめぐる冒険』(02) 『愛はふたたび』(04) 『まなざしの長さをはかって』(07) マリオ・マルトーネ監督 『戦争のリハーサル』(98) ルカ・ルチーニ監督 『ただ、ひとりの父親』(08) |
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