OUTSIDE IN TOKYO
WOODY ALLEN INTERVIEW

構成・文章:上原輝樹

1. ニューヨークに帰ってきたウディ・アレン

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1966年の初監督作品『What’s Up, Tiger Lily?』以来、ほぼ1年に1作のペースで40年間に40作品を生み出してきた我らがウディ・アレン、2009年の監督作品『人生万歳!』が、つい先日封切りされた。

『人生万歳!』は、ロンドン三部作(『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』『ウディ・アレンの夢と犯罪』)とスペインで撮影された『それでも恋するバルセロナ』を経て、『メリンダとメリンダ』以来5年振りのホームグラウンド、ニューヨークで撮影されたコメディである。『マッチポイント』がどんなに素晴らしい傑作でも、以前ウディ自らがそう語ったように、ロンドン三部作は、(主に)イギリス人の俳優を使って、イギリスで撮影された“イギリス映画”なのである。やはり、ファンにしてみれば、ニューヨークで撮影したウディの映画を心待ちにしていた。ウディ・アレンには何でもありの街、ニューヨークがよく似合う。

ウディ・アレン:僕のロマンティックな映画はすべてニューヨークが舞台、僕は、ニューヨークという都市自体を登場人物の一人だと考えている。とにかくニューヨークには素晴らしい撮影スポットがたくさんある。生き生きとして、エキサイティングで、神経質な街なんだけど、そこが好きだね。

そう、その“神経質さ”こそが、ウディ・アレン映画の魅力。エリセの『マルメロの陽光』(92)やアルモドバルの『トーク・トゥー・ハー』(02)の名撮影監督ハビエル・アギーレサロベが『それでも恋するバルセロナ』でどんなに美しくバルセロナの街を捉えても、南国の陽光がアレンの虚弱体質的な持ち味を殺すばかりで何とも物足りなかったのは、端的に神経質ないつもの”登場人物”ニューヨーク・シティが登場していなかったからだ。

ウディ・アレン:僕にとっては、ニューヨークそのものがとても想像をかきたてる存在だから、朝マディソン・アヴェニューを散歩して仕事に行く人々や学校へ行く子供たちを眺めるだけでたくさんのアイデアがわいてきて、もっとこの街についての物語を語りたくなる。僕は長年アッパー・イースト・サイドに住んでいて子供たちはここの学校に通っている。僕の人生全部がいつもニューヨークにあるんだ。

そう、私たちファンだけでなく、ウディ本人にとってもニューヨークを舞台に映画を撮るということは、最高の選択肢であり続けているということだ。

『人生万歳!』
原題:Whatever Works

12月11日恵比寿ガーデンシネマ他にて全国順次ロードショー

監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レテフィ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム
撮影監督:ハリス・サヴィデス
プロダクション・デザイン:サナント・ロクァスト
編集:マリサ・レプセルタ
衣装デザイン:スージー・ベンジンガー
出演:ラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド、パトリシア・クラークソン、ヘンリー・カヴィル、エド・ベグリー・Jr. 他

2009年/アメリカ/91分/ビスタ/SDDS
配給:アルバトロス・フィルム

© 2009 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

『人生万歳!』
オフィシャルサイト
http://jinsei-banzai.com/pc/

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