OUTSIDE IN TOKYO
YOKO YAMANAKA INTERVIEW

山中瑶子『あみこ』インタヴュー

4. ツイッターとインスタグラムを駆使してキャストを探す

1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7



OIT:それは結構独自の方法ですね。
山中瑶子:世代的なこともあると思いますけど、私にとっては、ツイッター上にはゴロゴロ人がいるし、みんな自分のことを発信してるので、分かりやすいんですよね。どういう風に見られたいかとかがギュッと詰まってるから本当に分かりやすくて、役者志望の方も沢山いますし、経歴とかも分かるじゃないですか、だからかなり手頃なツールではあったと思います。
OIT:最初はじゃあ、フォローしてDMでやりとりをされると。
山中瑶子:そうですね、あみこはツイッターで100人200人見て。アオミくんはわりと苦難して、インスタグラムでやっと見つけました。
OIT:キャストをSNSで発見されて、それからお会いしてリハーサルとかをされたのですか?
山中瑶子:リハーサルは実はしていなくて、ただお会いして、雑談をしただけですね。事前に衣装合わせはしたんですけど、リハーサル的なものは撮影初日まで何もなかったです。
OIT:脚本は全部キャストに渡したのですか?部分だけではなくて。
山中瑶子:未完成脚本を全部渡して、当日足した部分もありました。あとは、直前まで台詞すら完成していなくて、当日、わたしが即興で言ったことを演じてもらうということもありました。準備をしようと思っていたのですが、制作部のスタッフが足りなかったので制作部を自分でやらざるをえなくなり、状況に迫られて仕方なくの即興です。なので、ヌーヴェルバーグっぽいというのは意図的ではないですね。はじめてそう言われた時、映画って本当に面白いなと改めて興奮しました。トリュフォーがとても好きなので嬉しいです。
OIT:撮影現場はどのような体制だったのですか?
山中瑶子:多い日はスタッフ最大7人いましたが、少ない日は役者と、わたしがカメラを廻して、録音ひとりで全員で3人です。後半はそういう日ばかりでした。
OIT:カメラも廻したんですね。
山中瑶子:そうですね、わたしが最初に提示したスケジュールとはどんどんずれ込んで来てしまったので、カメラマンのスケジュールと合わなくなり、自分でやるかという感じで。
OIT:絵コンテは作られたのですか?
山中瑶子:あった方が安心するので描けるときには描いてました。脚本を書いた段階でこのシーンはこういう画だと思いついていたものはコンテを描きました。
OIT:小学生の時から絵は描かれていたわけですからね。
山中瑶子:そうなんですけど、絵コンテは描けないんですよ。静物デッサンや油絵ばっかりやってたので、まず小さい絵を描くのが難しくて。構図は得意なんですけど、簡略化した絵が全然描けないんです。
OIT:なるほど、完璧主義だからでしょうか。
山中瑶子:そうですかね、一コマ一コマ”絵画”じゃないとダメだ、ってなるので(笑)。結局、自分にしかわからないコンテですね、他の人が見てもわからないのではないかと思いますが、そのようなものは描いていました。

←前ページ    1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7    次ページ→