OUTSIDE IN TOKYO
HYUNRI & M. YAMAMOTO INTERVIEW

玄里(ヒョンリ)『水の声を聞く』インタヴュー with 山本政志

6. 韓国の人口は4千人。
 でも“映画人口”は一億人、と言われています(玄里)

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OIT:監督は結構、最近の映画もご覧になってるんですか?
山本政志:あんまり見てない、『るろうに剣心』ぐらいだね。
OIT:どうでした?
山本政志:アクションは面白かったよ、話はスカスカだったけど、あとは『GODZILLA ゴジラ』(笑)。期待したんだけど。
OIT:イマイチでしたか?
山本政志:イマイチと言うか、馬鹿じゃないかと思った。破壊したりするのは面白いし、風景とかも凄いんだけど。最後、シスコの沖で核が爆発するんだけど、シスコ壊滅するじゃんって思うんだけど(笑)。被爆するの分かってるのに、そういうのってアメリカ映画は多いんだよね。核を使うと、(ディテイルのいい加減さを)見過ごせなくなっちゃうんだよね、エンターテイメントに出てくると、しらけちゃうんだよ。『るろうに剣心』の方が全然良かったよ。アクションシーンがいい、人間が体を動かしているから、向こうのは怪獣だけど。アクション監督偉いなと思って、監督もあそこまで体を動かすことを要求したのはいいなと思った。
OIT:玄里さんはアクション映画はどうですか?
玄里:(出演した)イギリス製作の『Street Fighter Assassin's Fist』(14)は、アクション映画なんですけど、私はアクションはなくてドラマパートだったんです。でもその時にみなさんCG無しでアクションやってたんですよ。一日5食食べて、体も作って、その姿に感銘を受けたので、帰ってきてからアクションの稽古は始めてます。
OIT:今後の出演予定は何か決まっていますか?
玄里:この後、結構厚みのある作品が二本続いて、いい現場に行かせてもらってます。9月6日公開の、スーツアクターを題材とした映画『イン・ザ・ヒーロー』の撮影をして、その後、来年公開予定の、時代劇に参加させて頂きました。年末には舞台が2本控えています。
OIT:生まれは東京でお生まれになったんですね。
玄里:中学二年生くらいまで東京にいて、その頃ちょっとだけイギリスに行って、高校三年間は青山学院、青山学院大学の時に、芝居をちゃんと勉強しようと思って韓国(延世大学)に行きました。韓国語もちゃんとしゃべれるようになりたかったし、事務所の人に(演技の)レッスン通いたいって言ったら、現場で覚えればいいからって言われて、それじゃ駄目だと思って自分で決めて韓国に行きました。
OIT:意識が高いですね。
山本政志:そうだね、そこまでちゃんと意識してなかなかやらないもんね。
OIT:韓国は映画のレベル高いですね、色んな意味で。
玄里:今はそうですね、でも元々参考にしているのは日本映画だと思います、今村昌平とか小津安二郎とか溝口健二とか。今は、新しいものを取り入れているし、4Kで撮って、4Kで編集出来たり、アクションもハリウッドに行って勉強しに行ったり。新しいものを取り入れようっていうオープンさはあります、あと、どちらが良いということではなく、観る側にも違いがあると思います。韓国の人口は4千人。でも“映画人口”は一億人、と言われています。なので、年に少なくとも一人当たり二本、と言っても全人口が観るというのはあり得ないので、大人一人当たり4~5本以上は観ているということですよね。
日本で周りの人に一年にどれくらい映画観る?って聞くと、映画関係じゃない仕事の方の場合、みんな一年に一本という答えが多いです。でも韓国だと、週末映画館で映画観ようと思ったらチケット予約しておかないと取れないんですよね。単館の映画館はちょっと少ないんですけど、シネコンは人気がありますね。
山本政志:日本は、ずっと負けてると思うけどね。
玄里:(韓国は)若い人に撮らせるっていう体制が出来てますからね。
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