OUTSIDE IN TOKYO
MIYAZAKI DAISUKE INTERVIEW

宮崎大祐『TOURISM』インタヴュー

2. インスタレーションには2ヶ月で1万人とか来てくれたので、
 美術展の手応えとしては良かったです

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OIT:残念ながら、日本はもう完全にそういう国ですからね(笑)。
宮崎大祐:それから、もうちょっと予算交渉をして、カジノとの交渉で予算が取れるようになりましたという話があり、向こうに申請したのは短編映画を撮るという申請でしたが、自分としては長編を撮る気満々でいましたので、日本で短編を撮るっていう話が日本で長編を撮る気になっていて、せっかくだからシンガポールで撮りたいみたいなことをやっている内に夏になり、じゃあシンガポールで撮れるんじゃない?長編撮っちゃおうよみたいな話になった。向こうとしては、シンガポールで短編を撮る申請の仕方をしたと思っていたみたいなので、その割には熱心に撮ってるね?みたいな感じでしたが。どんどん撮り進めていったっていう感じですね。
OIT:最初はそれを撮ってカジノの美術館で上映したと。
宮崎大祐:はい、そうですね、現代美術の展示会場で、大規模な工事とかが入ってやりました、もの凄くでかいスクリーンでした。
OIT:三面とかでやったんですか?
宮崎大祐:そうですね、相当大きいスクリーンの部屋だったり、何部屋かその美術館のワンフロア全部を僕の展示して頂きました。地下が全部チームラボの常設展で、1階が僕の展示、僕の前がカルティエの展示だったので、こういう感じでって言われたんですけど、いやこういうのはちょっと無理です(笑)って言いましたけど。
OIT:予算が違うでしょ(笑)と。
宮崎大祐:そうそう(笑)。でもなんかとりあえずそれらしき美術展が出来て、それが11月から始まって年末いっぱいぐらいまでやっていた、結構お客さんが入ったんですよ。
OIT:現場に行かれて、様子を見てどう思われました?
宮崎大祐:美術館なので乳幼児からご老人まで、色々な年齢層が出ては入ってっていうのをずっと見ていて、一番奥の部屋がこの作品のプロトタイプが上映されてる部屋だったんですけど、結構色々な方が足を止めてくれて、ダンスのシーンで子供が踊ったりしてるのを見て、いいなぁと思いましたね。このぐらいアート映画も日本でみんな観に来てくれたらいいのにっていうぐらいのお客さんがいっぱい来て下さった、多分2ヶ月で1万人とか来てくれたんですよ。なので美術展の手応えとしては良かったですね。
OIT:その時には、もう映像は大分撮ってたっていうことですか?
宮崎大祐:そうですね、素材はあったんですけど、僕は音楽的なリズムで編集するんですけど、微妙にこの辺足りないなって感じたところを、美術展の様子見に行く時とか、映画祭に呼ばれた時とかにひっそりと自分で撮り足したりとかして、じきに長編になることを見越した活動をしていました。
OIT:じゃあ長編で上映しましょうという話になる前にもう準備を進めていたと。
宮崎大祐:もうそのつもりでした。契約で素材は全部、僕に帰属するっていうことになったんですけど、普通は良くて半々かなと思ってたんですけど、その映画祭がもの凄く抵抗してアーティストの権利を過剰に主張してくださったので、なぜか全て僕に権利がきて好きにしてくださいっていうことになりまして、じゃあ好きにしますっていうことで今の状態になったんです。
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