OUTSIDE IN TOKYO
MIYAZAKI DAISUKE INTERVIEW

宮崎大祐『TOURISM』インタヴュー

8. ジャームッシュ的に作品の中でローカルバンドを使いたいんですって
 言ったら、THE Are(アール)を紹介された

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OIT:音楽も非常に良かったです、アールはどこの方ですか?
宮崎大祐:シンガポールです、この作品に出ています。
OIT:あっ、屋上の!凄く良かったです。
宮崎大祐:そうなんですよ、凄く才能のある2人組で。一番最初に、役者が決まる前に、真っ先に彼らに出演オファーを出しに行ったんです。
OIT:彼らを何で見て知ってたんですか?
宮崎大祐:いつだったっけなぁ、準備段階であっちに行っている時から、知り合いの映画祭プログラマーでアバンギャルド音楽が好きな方がいて、地元で面白いバンドいたら使いたい、僕はジャームッシュ的に作品の中でローカルバンドを使いたいんですって言ったら紹介してくれて、音源を聴いたりライブを見たらとても格好良かった。彼らが『大和(カリフォルニア)』のシンガポール上映に来てくれたこともあって、改めてオリジナルで作ってくれって話をしたら、是非ということで作ってくれました。
OIT:成田の空港でかかる、イーノの「ミュージック・フォー・エアポート」みたいな音楽もアールですか?
宮崎大祐:はい、全部屋上で演奏したんです。ダンスの音楽だけが日本のトラックメーカーで、『大和(カリフォルニア)』でトラックを作ってくれたLil’ Yukichiに作ってもらったんですけど、他は基本的にアールの2人が全部演奏しています。使えてない曲がもっと大量にあって、いい曲ばっかりなんで勿体ないんですけど。
OIT:是非、サントラ作ってください。
宮崎大祐:そうなんです、今朝シンガポールの知り合いからサントラ売らないんですか?って問い合わせが来たばかりで。
OIT:ジャケットはこのポスターと同じでいけますよね、80年代の完全にパロディみたいな。
宮崎大祐:ちょっと樋口さん(boid)に言ってみます。
OIT:レコード作ってほしいですね。
宮崎大祐:ああ、もう是非。彼らがそうなんですよね、毎回自分達の音源をレコードでリリースしている人達で、僕にレコードくれるんですよ。これもレコード作れたらかっこいいですね。
OIT:次の作品も出来つつあるわけですね。
宮崎大祐:そうですね、もう来月ダビングしたら完成という状態です。白黒なんですけど、大阪が舞台です。大阪の桃谷というか鶴橋の、コリアン系エリアの話なんです。今までで一番意味不明だけど最高傑作だと一応言われてます(笑)。
OIT:どういう方が出演されてるんですか?
宮崎大祐:今回の方々は出演されてなくて、そんなに名の知れてない方ばっかりなんですけど、映画の8割くらいが顔のクローズアップなんですよ(笑)。
OIT:フィリップ・ガレルみたいな(笑)。
宮崎大祐:良く言うと(笑)。結構チャレンジングな作品です。それもゴンサロが、森山大道と原一男的なタッチでいいか?みたいなこと言ってきて(笑)。お願いしますって言ったら、大道っぽい銀残し的な荒グレみたいな画になってて凄くいいんです、新しい大阪が見れると思っています。

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