吉開菜央『吉開菜央特集：Dancing Films』インタヴュー

吉開菜央：まず一番最初に、小暮香帆さんに出てほしいっていうのがあって、湖で踊ってほしいなと思ったんです。ぱっと考えた時は海かなって思ったんだけど、海みたいに元々波があるんじゃなくて、”しん”としててダンサーが動くことで波紋が起きる、そういう場所がいいからやっぱり湖がいいなって思い直した。それで、湖に入らせるんだったら、流れがないから澱んでる所に入らせたらまずいな、安心して入れる所と思って水の綺麗な所を探したら支笏湖(しこつこ)があったという感じです。

吉開菜央：めちゃくちゃ寒いです、冷たい水に入って初めて視界が狭まった、意識が飛びそうになったって言われちゃった。本当に朝の一番寒い時間帯に入ってもらったから、みんなはドライスーツ着てるんだけど、小暮さんはあのように裸みたいな衣装なので、、、でも彼女は入りました、凄いと思った本当に、めちゃくちゃ根性あります。

吉開菜央：もう無理です、菜央さん、みたいなことは言えたかもしれないけど、震えもちゃんと抑えて、それこそ呼吸を整えて、本当に死にそうになりながらあそこに立ってるんです。小暮さんは、最近アップカミングなダンサーさんで、松田優作さんの追悼舞台公演で、石橋静河さんとか松田龍平さんとかが出ていらした舞台にダンサーとして出演していました。ソロ公演も結構されています。

吉開菜央：そうですね、衣装は私が見つけてきました。

吉開菜央：本当だったらもう裸ぐらいがいいけど、まあやっぱり流石にそれは目のやり場に困るだろうなと思って裸に近いものになった。単純にユニクロのエアリズムみたいな、すとーんとしたただのタンクトップにパンツだと味気ないし、いろいろ探して、これ（今、着ている服を差して）なんですけど実は、『ほったまるびより』で着てたのは。

吉開菜央：＜アンティパスト＞っていうブランドの衣装で、元々靴下を作っていて繊維を編むのが得意なところで、こういう色々な柄の薄手のレースを作ってるんです。実際『ほったまるびより』ではニップレスつけて肌の上に直接これを着てました。

吉開菜央：あります。色々な花柄だったり、凄い綺麗なレースの柄、これを発見した時に見た目も凄くいいと思ったし、本当に皮膚のきめみたいなものを感じさせてくれて、レースってそういうところあるんですよね。

吉開菜央：そうですね、でも結構自分でカメラ持って撮ってると感覚はおっさんだねって言われたりとかします。普通あそこまで露出した体にカメラ向けてぐって近寄ったりしない、女だからそんなに近寄れるんでしょ、いいよねーみたいな感じで言われたりもしていたけど、確かにそれをポルノグラフィとして消費したいと思って撮っているわけではない、むしろ裸っていうのはいやらしいものっていうよりも、もう私は普段から鏡の前にいて一枚脱いだら本当にあんな感じで、でもそれがグラビアとかで撮られてるような色気もまるでないんですよね、でもはっきりいってほとんどの女の子が大概服を脱いだらそうだと思うんですよ。でもそれが別にいやらしくはないけど、むしろ凄く安心するんですよね、裸を見てると。だから銭湯とか行くのも好きで、そういう時に色々な人の裸とか見てると、本当にこの人のこと何にも知らないけど、体を見てるだけで愛情が湧いてくる。